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フィリピン人技能実習生の受け入れ (コルドバ月光)

2016年10月21日、衆院法務委員会は外国人技能実習制度の適正化法案を賛成多数で可決しました。政府はこの技能実習の職種に介護を追加する方針であり、予定通り2017年7月に新技能実習法案が施行されれば、その後、技能実習生枠で外国人労働者の介護現場への受け入れが開始されます。受け入れ期間は、基本3年ですが、政府の基準をパスし、優良と定められた監理団体、実習実施機関については5年が認められるといいます。


国内労働力が低下するとともに高齢者が増えている今、フィリピン人介護技能実習生の受け入れに可能性が広がっているのです。


技能実習制度とは?
そもそも外国人技能実習制度とは何なのでしょうか。この制度を運営する、公益財団法人国際研修協力機構の文言をそのまま抜粋すれば、外国人技能実習制度は、「最長3年の期間において、技能実習生が雇用関係の下、日本の産業・職業上の技能等の修得・習熟をすることを内容とするもの」と定められています。また、今回の技能実習の適正化法案は、『途上国の経済発展を担う「人材育成」に貢献する』という大義名分を伴う法案なのです。
しかしながら、そんなことを目的としてこの制度を利用している受け入れ企業はほぼ皆無です。この制度は「外国人労働力供給制度」であるのが誰の目にも明らかですが、表向き、外国人労働者を受け入れます、などとは謳いにくいので、「技能実習制度」としている、という解釈も存在しています。
また、外国人技能実習制度のもう一つの意義として、国内の労働力低下問題への解決策ということがあります。国内の深刻な少子高齢化に伴う人口減少による、深刻な労働力の低下は避けられない問題となっています。2050年には人口の4割が高齢者になるとも予測されていて、それと同時に生産年齢人口(15~64歳)割合は低下。出生率も伸び悩み少子化を迎える中、日本社会は国内市場の縮小のみならず、深刻な労働力不足に直面しようとしているのです。
一方、外国人労働者を雇う中で問題もあります。劣悪な労働環境下からの研修生の失踪や、失踪者の犯罪行為、人権問題、他社への労働力転売なども起こっており、課題となっています。2015年には約19万2千人の技能実習生のうち6千人が実習先から失踪したとの報告がなされています。
いずれにせよ労働力の不足は、企業の根幹を揺るがす大問題であります。今後は課題の解決とともに、国内の労働力不足解決のため、さらなる外国人労働者の活用が期待されています。では、それを踏まえ、本題の介護技能実習制度の話に移らせていただきます。


フィリピン人介護人材活用のメリット
さて、始めに数多くいる外国人労働者の中でも、フィリピン人の介護士の受け入れるメリットを記載していきます。
まず、フィリピン人技能実習生に限って言えば、失踪率の低さが注目すべき点です。下記をご覧いただければ分かるようにフィリピン人の技能実習生の失踪者数の割合は他国に比べてダントツで少ないです。驚いたことに、失踪者は一般的に非常に真面目である、というイメージのベトナム人が1位で、フィリピンの10倍近くの割合となっています。


また、外国人介護者を受け入れている現場からの声を聞いてみると、フィリピン人介護者への評価が非常に高いのが印象的でした。いくつからの介護事業関係者からは、「単に人柄が明るいというだけでなくとても献身的」「表面的でなく心から接する介護をしてくれる」、「家族や年上の人を大切にするところがある」、「嫌がらずに仕事を超えたレベルで接してくれる」「利用者もよろこんでいる」「いつも明るいため職場にもいい影響を与えている」などの声を聞くことができました。
そして、最後が「英語力」です。日本人の現場でも中国語、ベトナム語、タイ語よりは片言でも英語でコミュニケーションが取れるというのは、見落としがちではありますが、大きなメリットとなります。もちろん1年で中級レベルの日本語を習得することが義務ではありますが、初期の段階では、英語力も役に立っているとの報告があります。

フィリピン人介護福祉士受け入れの問題点
一方で、やはり問題点もあります。まずは専門性の問題。外国人労働者も介護福祉士として雇用されれば、日本人介護福祉士と同等の給与になります。しかし、実質専門性が日本人には及ばず、現場で監視ができる人間がどうしても必要になってしまいます。また理解不足によりトラブルが起こりやすいという根本的な問題もあります。さらに、業務も関連業務(掃除、洗濯、調理など)が中心になりやすいため、日本人職員から、同等の給与を払っていることへの不満が出やすいのです。
2点目は語学力の問題です。いいところでも述べたように、フィリピン人は英語能力が高いかつ、一般的な日本語能力は身についているものの、介護現場での専門性を要する会話ができないため、利用者の細かい心理状況が把握できないという問題があります。
3点目は職業に対する認識の違いです。突然職場に来なくなる、転職する、帰国したまま連絡が途絶えるという退職マナーの問題や、就職時にできないことを「できる」と言ってしまったり、トラブルは少なくないのが現状です。
確かに日本とは異なる文化を持つ国から来た労働者を雇うことには多少なり、リスクも生まれます。その中で、違いを理解し、マネジメントすることが重要になってきます。

介護技能実習生の業務内容
このような状況の中、今回の介護技能実習制度での受け入れ人材が行える業務内容は以下のとおりとなっています。
 ・必須業務:身体介護(入浴、食事、排泄、体位変換、移乗・移動等の介助等)
 ・関連業務:身体介護以外の支援(掃除、洗濯、調理等)
 ・間接業務(記録、申し送り等)
 ・周辺業務:その他(お知らせなどの掲示物の管理等)
全業務時間の50%以上を、上記の必須業務に当てなければならず、また、周辺業務は3分の1以下に設定されています。前述のとおり、専門性の問題、必須業務の問題はEPAでの受け入れで既に指摘されており、同様の問題は継続的に起こってくるでしょう。ここで重要になってくるのが、事前教育の充実です。

事前教育の重要性
まず、日本語に関しては、現状の介護技能実習制度では座学で2ヶ月間、日本語能力試験N4程度のレベルで入国可能としています。この日本語能力N4というのがどの程度のレベルなのか、日本人の英語学習に置き換えて、学習時間を見てみると分かりやすいでしょう。N4の場合の学習時間は300時間程度とされていますが、中学校1年生の英語の授業時間が200時間前後なので、中学校2年生の半ばが終了したくらいの状態、と考えていただければイメージできるでしょうか。私たちは中学校2年生のころ、どのくらい英語が話せたでしょう。
また入国後1年で日本語能力試験N3の取得義務があるため(取れなければ延長ができない)、N3に近い状態まで自国で学習させておいたほうが安全といえます。慣れない環境で仕事をしながら、日本語学習をさせるというのは、相当リスクが高いからです。N4以下レベルで入国させてしまうと、大部分が強制帰国になってしまう可能性もあるのです。
介護技能実習制度においては、入国時に介護技術の習得が求められません。日本語能力が低い実習生が日本人介護士から見聞きして、技術を取得することは困難であると言わざるを得ません。
更に介護現場での実務的な問題もあります。日本語での報告書、日報、申し送りといった、日々の業務サポートから、文化的背景の違いによる日本人スタッフとの衝突、失踪などを防ぐための事前研修など、受け入れ側、研修生双方において、相当な事前教育、準備が必要でしょう。

フィリピン人受け入れに際して、事前教育よりも重要なこと
しかしながら、事前教育よりも更に大切なことがあります。それは教育前の人材の目利きです。
手前味噌で申し訳ないですが、筆者はEPAで送り出される介護人材への事前教育を含め、フィリピン人への文化実習、日本語実習、面談等に10年以上関わってきました。この経験上、教育を行う前の「人材の目利き」、つまり面接、面談、適正テスト、家庭環境調査、言語適正調査などの工程が、何よりも大切であることを身を持って思い知りました。あくまでフィリピン人についてではありますが、それこそ現地で教育を始める前に、最低3回は個別面談を行ってから選定し、教育に入るべきであると考えています。そうしなければ、教育時間が全て無駄になってしまう可能性があります。このあたりの事情は多少の差こそあれ、ASEAN各国似たり寄ったり、というのが現状ではないえしょうか。
無駄にしないためのポイントは書ききれないほどありますので、2点だけ挙げさせてもらうと、まずは学習適正の精査です。フィリピンは幼稚園から英語での教育が始まります。しかし、これにちゃんとついてこれるのは一部の人材のみです。ちゃんとついてこれる、というのは母語で学習するのと同等レベルでの理解が得られるという意味です。自分の母語でない言語で教育を受ければ、学習効果が激減するのは説明するまでもありません。日本人でも同様です。もちろんその反面、英語も他の専門知識も完璧に身につけた抜群のエリートが多数生み出されることになりますが、特に技能実習制度で来日する層に関してはそれに当てはまらないため、学力に相当の幅があるのが実情です。その点、注意が必要です。
このような状況ですので、フィリピンの学校の卒業に関しては、かなりの部分「お情け」が適用されています。例えば、日本人で知っている人はほぼ皆無だと思われますが、学校の成績システムにも大きな問題があります。それは、フィリピンでは一般的に「底上げ点」が導入されていることです。人選時に大学や専門学校の成績表だけ見て単純に喜んではいけません。詳しく説明しましょう。
例えば、数学の成績が「70」だったとします。このとき、「底上げ点」が40点であれば、実際の成績は41〜100点までの60段階で評価されることになるのです。つまり成績では「70」ポイントでも、40点が0点に相当するので、実際は50%の達成度、となるわけです。このシステムは多くの教育機関に導入されていますが、各専門学校、大学、教育機関で様々であり、底上げ点も異なります。導入していない教育機関もあります。つまりは成績表だけを見ても決して理解できないのです。
2つ目のポイントは家庭環境を見極める、という部分です。フィリピンで面接を行い、家庭環境について詳しく聞いていくと、母が重病、父が借金を背負っている、親戚が日本人と結婚した、というような話が数人に一人の割合で現れます。そして、こういう家庭環境が、研修後、雇用後にモロに響いてくることになるのです。ホームシックの問題もあります。フィリピン人は一般的に家庭を重視する国民性であると言われています。実際そのとおりです。そのため、ホームシックのケアは非常に重要だと言えます。
このあたりはしっかりと押さえていただき、突然日本へ行けなくなった、職場から突然いなくなった、学習についてこれない、などのリスクをできる限り減らしていただきたいです。人材の選定プロセス、目利きの重要さが多少は伝わったでしょうか。

まとめ
以上、介護技能実習生とフィリピン人介護士について、まとめさせていただきました。労働力が低下する一方で高齢者が増加している今の日本で、フィリピン人介護技能実習生が大きな助けとなる可能性を秘めていることが言えます。確かに、異国・異文化から来たが故の問題点・不安点もありますが、「目利き」や「事前教育」によるリスク回避、そして多少なりとも私達が彼らへの理解を持つことが、日本の雇用環境改善の大きな助けとなるのではないでしょうか。


Digima より記事転用  (コルドバ月光)

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